こんにちは!でっくんです。4月にシステムアーキテクト試験を受験したので、振り返りをしていきたいと思います。結果は残念ながら不合格。
初めての論述試験でしたが、時間が足りませんでした。。高度試験の壁が高いです。
システムアーキテクト試験の受験結果
システムアーキテクトの受験結果はご覧のとおりです。
↑試験結果
なんとか午後Ⅱ試験までは進めたものの、C評価とボロボロの内容でした。
本記事では、これからシステムアーキテクト試験を受験する方に向けて反面教師としてほしく、勉強方法の振り返りをしていきたいと思います。
システムアーキテクト試験とは?
振り返りをする前に、システムアーキテクト試験について、軽く概要を説明します。
受験対象者
IPA(情報処理推進機構)では、システムアーキテクトの受験対象者を以下のとおり定めています。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システムを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、開発を主導する者
かいつまむと、要件定義を主導して、システムのリリースまでの推進ができることを証明する資格のようです。
試験形式
試験の形式は以下のとおりとなっています。私は今回、午前Ⅰは免除でした。
後述しますが、午後Ⅱの論述試験が最大の関門です。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
試験時間 | 9:30~10:20 (50分) |
10:50~11:30 (40分) |
12:30~14:00 (90分) |
14:30~16:30 (120分) |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 (四肢択一) |
記述式 | 論述式 |
出題数 回答数 |
出題数:30問 解答数:30問 |
出題数:25問 解答数:25問 |
出題数:4問 解答数:2問 |
出題数:3問 解答数:1問 |
勉強時間について
次に、どんな準備をしてきたか振り返ります。
勉強時間は約56時間ほどでした。
studyingによると、合格に必要な時間は100~200時間とあるので、勉強不足でしたかね。
システムアーキテクト試験でそれぞれの試験対策にかけた勉強時間は以下のとおりでした。
午前Ⅰ 免除
午前Ⅱ 約6時間
午後Ⅰ 約20時間
午後Ⅱ 約30時間
勉強方法、教材について
私がシステムアーキテクトの勉強を本格的に始めたのは、1月になってからでした。
システムアーキテクト試験は、4月に実施される試験なので、勉強期間としては3か月ほど。正直甘かったと思います。もう少し前から準備しておくべきでした。
午前Ⅱ対策 (対策時期:1月)
まずはじめに、午前Ⅱ対策を行いました。勉強時間は6時間程でしたが、試験では88点を取ることができました。使用した参考書は「システムアーキテクトALL IN ONEパーフェクトマスター 」です。この本は、1冊で午前Ⅱから午後Ⅱ試験まで対策が網羅されているのでおススメの一冊です。
システムアーキテクトALL IN ONEパーフェクトマスター 2024年度版春4月試験対応[本/雑誌] (情報処理技術者試験) / TAC株式会社(情報処理講座)/編著
午前Ⅱの試験は、60%取れば合格なのと、午後試験の対策を重点的に実施した方が良いため、あまり力を入れる必要はありません。
また、過去問は過去4年分を解いて手ごたえをつかみました。
午後Ⅰ対策 (対策時期:1月~2月上旬)
午後Ⅰ対策に使用したのも「システムアーキテクトALL IN ONEパーフェクトマスター 」と過去問です。
システムアーキテクトALL IN ONEパーフェクトマスター 2024年度版春4月試験対応[本/雑誌] (情報処理技術者試験) / TAC株式会社(情報処理講座)/編著
午後Ⅰは記述式の問題で、システムアーキテクトとしてのケーススタディが提示され、そのケースから問題を解く問題になっています。
上記の参考書では、問題の解法が分かりやすく提示されており、これを読めば、問題を解くコツがつかめるようになります。
午後Ⅰでは、大問が4問出題されて、2問選択する形式です。2023年の春季は以下のテーマで出題されました。
2023年春季試験の出題テーマ
- ERP製品パッケージの再構築
- オンライン管理セミナー管理システムの構築
- 融資保証システムの再構築
- ホテル事業者向けの顔認証システム構築
私は業務の経験からとっつきやすそうな「オンラインセミナー管理システム」と「融資保証システムの再構築」の大問を選択しました。
解くコツは「分からないものは後回しにする」です。出題者としては、満点を取らせないために、小問の中に難問を混ぜる傾向にあるそう。試験しては、60点を取れれば良いので、満点を目指す必要はなく、分からない問題に関しては割り切りも必要と感じました。
午後Ⅱ対策 (対策時期:2月上旬~4月上旬)
午後Ⅱは何が難しい?
次に、難関の午後Ⅱ対策です。システムアーキテクト試験の午後Ⅱ試験は論述となります。
試験の内容は、論述テーマが与えられて、そのテーマに沿って、自信の経験を基に記述する、というもの。
論述は以下の4段階で評価され、A評価を受けないと合格することができません。
私は、ここで、C判定(内容が不十分である。問題文の趣旨から逸脱している)を食らってしまったので、反面教師として参考にしてください。
2023年は以下の3問が出題されました。
- デジタルトランスフォーメーションを推進するための業務システムの改善について
- 利用者と接点がない情報システムのインターフェースの検討について
- 再利用の容易化を考慮した組込みシステムのアーキテクチャについて
大問の中に、設問ア、イ、ウがあり、それにそれぞれ応える必要があります。例えば大問1だとこんな感じです。
設問ア あなたが携わったDXの推進ではどのような課題があったか。DXの目的と情報システムの概要を含め、800字以内で述べよ
設問イ 設問アで述べた課題解決のために、情報システムとしてどのように改善しようとしたか。解決できると考えた理由を含め、800字以上1600字以内で具体的に述べよ
設問ウ 設問イで述べた情報システムの改善において、何のためにどのような工夫を検討したか600字以上、1200字以内で述べよ
※出典:IPA過去問
設問ア~ウまでで、最低でも800+800+600文字で、2200文字分論述する必要があります。経験したことのない業務に関することを問われることが大半なので、空想で2200文字埋めるのは至難の業です。
次に、具体的な勉強方法を見ていきます。
対策①:参考書から論述方法を学ぶ
午後Ⅱ対策に使用したのも「システムアーキテクトALL IN ONEパーフェクトマスター 」と過去問です。
システムアーキテクトALL IN ONEパーフェクトマスター 2024年度版春4月試験対応[本/雑誌] (情報処理技術者試験) / TAC株式会社(情報処理講座)/編著
上記の参考書には、問題から全体の構成を考えるコツが記載されていて、とても参考になりました。
対策②:参考書からお手本を学ぶ
また、合格した論文はどのような文章、構成なのかを確認しておくことも重要です。
そんな合格論文が収録された参考書がこちらの「システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集」。論文事例が、36本も収録されていることに加え、試験中のペース配分の仕方なども書かれていて、とても役に立ちます。IPAの論文試験の受験生には必須参考書と言えます。
システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版 [ 岡山 昌二 ]
対策③:通信教育の模試を利用
また、論文を書いた後は、自分のレベルを知るべく、模試の受験もおススメです。私はTACの公開模試を受験しました。
書いた論文に対して、フィードバックをもらえるので、試験対策には大変有効だと思います。是非活用してみてください!
↑模試では論文を細かく添削してもらえます!
↑模試の結果
私は、模試も併せて、トータル7本程論文を書いた上で試験にのぞみました。
不合格になった原因
今回、それなりの対策をしたつもりでしたが、午後Ⅱ試験で不合格になってしまいましたので、原因を分析してみたいと思います。
原因①:出題内容に合致した論述ネタを準備していなかった
試験対策として7本ほど論文を書いていましたが、開発経験のない分野でのお題が出題されてしまいました。
2023年のお題「デジタルトランスフォーメーション」「利用者と接点がない情報システムのインターフェースの検討」のいずれも経験がなく論述ネタに困ってしまいました。
私個人では、既存システムの改修をメイン(しかもバッチ処理の改修)であったため、自らの経験を基に書くことができませんでした。
過去問を解く中で、全く知らない分野から出題された時は、厳しいと思っていましたが、打開策がなかったです。こちらの参考書を基に、あまり知らない分野でも論述できる力をもっと身に付けておくべきでした。
システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版 [ 岡山 昌二 ]
原因②:時間内に書ききる練習不足
実際に午後Ⅱを受験して感じたのは、「想像以上に時間が足りない」ということでした。
論述練習の際も、「時間をかけてでも、良い論文を作成する」ことに注力しており、3時間かけて1本の論文を仕上げていたことが多く、「短時間で全体の構成を練って、文字に起こす」練習が不足していました。(というよりもその領域まで高められませんでした)
模試では、時間をかけて作成した論文に対してボーダーラインの評価をもらっており、(しかも80人の受験者中18番目に良い点数だった)安心してしまったことも良くなかったです。
単純に論文を書く対策の準備不足でした。
システムアーキテクト、勉強する意味ある?
ここまで、システムアーキテクトの受験記を書いてきましたが、来年の受験はやめようと思います。
というのも、勉強していて得られるものがあまりにも少ないと感じたからです。
2時間で2200字書くスキルは仕事で役に立たない
来年は受ける気になれない理由は「2時間で2200字書くスキルは仕事で役に立たない」ことです。試験であるがゆえ、制限時間があるのは仕方ないのですが、2時間で2000文字以上手書きするのがかなりつらかったです。
貴重な休日にこの練習をするのですが、短時間で手書きで沢山の文字を書けるようになっても仕事で役にたつことはほとんどありません。
それよりは、DockerやAWSなど、他にも学びたいことがあり技術的な知識を吸収する時間に当てた方が有意義だと感じました。
受験対策で身に付くスキルがない
一つ目と同じような理由ですが、午前Ⅱにしろ、午後Ⅰにしろ仕事で役に立つような知識が身に付くことはありませんでした。
データベーススぺシャリストであれば、試験対策を勉強する上で、DBの構造やSQLなど仕事で役に立つ知識が身に付くのですが、、
まとめ
いかがでしたでしょうか。システムアーキテクトを受験しようか検討している方にとって、少しでも役に立つ情報が提供できていれば嬉しい限りです。
「システムアーキテクトは何も身に付かない」と書いてしましましたが、あくまでも私の主観によるものなので、約に立つ現場もあるかもしれません。
ではまた!
資格取得に興味のある方はこちらもおススメです。