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今回は、末岐碧衣著『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』を紹介します。
この本の著者、末岐碧衣さんはコミュ障のシステムエンジニアです。
大学を卒業し、就職するもコミュ障が原因で休職してしまいます。
その後、コミュ障なりの「仕事の切り抜け方・人間関係の作り方」を模索していきます。
現在では、フリーランスとして独立し、一度も営業せずに、独立前の年収3倍を達成しています。
この本では、コミュ障の視点にたった「コミュニケーション術」「働き方」「お金の管理方法」「メンタルの保ち方」が紹介されています。
- コミュニケーション術に関する本を今まで読んできたが、効果を得られない
- 人といるのは疲れてしまうが、完全に一人では不安
- フリーランスとしてのSEの働き方に興味がある
『ぼっち仕事術』の内容
『ぼっち仕事術』は、「コミュニケーション」・「働き方」・「お金」・「メンタル」の4つの章から構成されています。
それぞれの章の要約を紹介していきます。
第1章・コミュニケーション
この章では、コミュ障は治らないという著者のスタンスのもとに、「コミュ障をごまかすテクニック」を紹介しています。
具体的には・・・
- 自己開示
- 嫌いな人を知る
- 人とのつながり方
- 事前準備
- 身だしなみ
が挙げられています!
①の自己開示については、他のコミュニケーションのハウツー本でも取りあげられていることが多いですが、コミュ障ならではの方法が提案されています。
例えば、自己開示する際は、対面を避け、SNSやメールを使うなどです。
通常のコミュニケーションのハウツー本ですと、朝の挨拶をした際に、自己開示もいれるといいですよーとかよく書いてあります。
相手にそっけない対応とかされてしまうと、落ち込んでしまうんです。
SNSやメールを使った自己開示は、職場によっては使えないかもしれませんが、コミュ障でも取り組みやすいコミュニケーション方法がいくつか取りあげられているので勉強になりました。
第2章・働き方
著者は、ぼっち社会人の働き方として以下の二つを掲げています。
- 一人で生きない
- 一つに頼らない(お客様や自分の仕事を一つに絞らない)
「一人で生きない」も「一つに頼らない」というのも、ぼっち社会人としては相反する印象を受けるかもしれません。
著者は、人との関わりを避けるために、小説家を目指した時期があります。しかも、会社を辞めて、見知らぬ土地で、安定した収入もなく、本当に一人ぼっちの状態でです。
自分から人と関わらない生活を一度は選んだ著者の言う、「人は一人では生きていけない」という言葉は重みを感じます。
また、「一つに頼らない」働き方は、ぼっち社会人でなくても参考になるかと思います。
第3章・お金
この章では、お金の管理の仕方がテーマになっています。
- 将来にかかるお金を把握し、無駄を省く
- フリーランスならではの単価の設定の仕方
著者は、会社を辞めて小説を書いていた時代に、一番不安だったのは「お金」と断言しています。
将来にかかるお金をファイナンシャルプランナーさんと相談して、固定費を削減し、浮いたお金で投資を始めるのは、一般の家庭でも参考になるのではないでしょうか。
第4章・メンタル
著者の言うようにコミュ障はメンタルをこじらせがちです。この章では、病まない技術を紹介しています。
- 情報過多の現代社会を生きる人へのオフライン休日のすすめ
- ノートに自分の思いを綴る「ゲロ袋日記」の付け方
「ゲロ袋日記」というのは、著者独自のストレス解消法です。
もやもや・イライラすることがあった時は、ノートに思いつくままに書き出してストレスを発散させようというのです。そして、言語化することによって「自分が不安に思っていることは何なのか」が浮き彫りになると著者は述べています。
『ぼっち仕事術』の感想
「人は一人では生きていけない」「みんなで協力しないといけない」というのは、学生時代に先生から何かしらのかたちで教わることでしょう。
ただ、具体的に「どのように人と関わっていけばいいのか」について教えてくれる先生は少ないかもしれません。
クラスには、いろいろな子供がいて
- 自然にグループの中心になれる子
- 自分の気持ちを周りに伝えるのが上手い子
- 自分の気持ちを伝えられず我慢してしまう子
- 空気を読んで周り合わせてしまう子
などいろいろなタイプの子がいます。
本来だったら、その子にあったコミュニケーション術を体得するべきなのに、そうするのは難しいですよね・・・
この『ぼっち仕事術』では、コミュ障の著者が実際に体験した経験を踏まえて、「コミュ障のためのコミュニケーション術」を紹介しています。
「~すべき」「~しなくてはいけない」といったコミュニケーションに関する啓発本も多い中で、この『ぼっち仕事術』は、「こんなやり方もあるんじゃない?」くらいにそっとコミュ障さんの背中を押してくれる本です。
最後まで読むと、著者はコミュ障ではないんじゃないかと思うくらい行動力に満ち溢れた方です。
会社でコミュニケーションに悩まれている方は、是非お手にとっててください!